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そばのそばや

ある日、家族は嫁の実家に行って一人になった日があった。
自由である。
自由であることはいいのだが、食事も自由ということだ。
家にあるインスタント系のものを食べても良いが、せっかくだから近所のお店を開拓することにした。
 
昔のことなら電話帳でも広げて近所にありそうなお店を調べてあたりをつけるところなのだが、手にはスマホがある。
簡単にマップを開くだけで近所のお店が簡単に検索できてしまうということだ。
 
ということで以前から気になっていたそば屋に行くことにした。
車でどこかへ行くときにのみ通る道沿いにあるらしいそば屋である。
マップによると徒歩でも15分ほどで到着する距離だ。
 
以前にスマホを自転車に取り付けるアダプターを購入していたので、これにスマホをセットする。
アプリには自転車のナビをしてくれるものも出てきていてしかも無料なのでこれで目的地をそば屋に設定して出発した。
 
さすがに自転車専用のナビだけあって、今まで通ったこともないような細い裏道で最短距離の道を案内してくれた。
これって農家の庭先じゃないのか??なんて道も通ったりしてちょっとどきどきである。
 
運動不足のせいでギアがついているにも関わらず、それなりに疲れてきたところでそば屋に到着。
店の前は3台くらいが停められる駐車場になっていたが、そのうち2台分に車が置いてありちょっと狭い入口の脇に自転車を停めた。
 
全く入ったこともないしそもそも店が存在することも認識していなかったので、勝手に新しめのお店かと思っていたがそれなりに歳月を感じさせるいい感じのお店だった。
ちょっと屋根がせり出して入口の所を日陰にしていて、引き戸の横にガラス越しにサンプルが並んでいる。
 
中に入ると部活か地元クラブなのか分からないが、活動帰りと思われる運動系の高校生くらいが3人くらいと引率者と思しきおじさんが一緒に座敷席に座っており、その手前に並んだテーブルの一つに老夫婦が座っていた。
ほうくは空いていた4人席のテーブルに座って天ざるを注文した。
 
内装もいい感じで古ぼけた感じだ。
そしてこのそば屋は年老いた夫婦が二人でやっているようなのである。
黙々とおやじがそばを作り、奥さんは何かノートみたいなものをずっと見ている。
いやあ・・・。
水くらい出せよ
 
気が付くと部活帰りの高校生も老夫婦も帰ってしまった。
お客一人になったほうくはしばらく壁の上のほうに並べられたお品書きを眺めて天ざるを待つ。
 
しばらくたって持ってこられた天ざる。
うーん、普通!
でもうちの近所でこの普通のそばがちょっと安い価格で食べられるということ。
それが何だか良いのだ、と勝手に納得した。
 
そして店を後にしたほうく。
今度いつ来るのかは全く分からない。
他に気になるそば屋もある。
だけどここのそば屋はほうくが今後一切来なくても存在していて欲しい。
そんな勝手なことを思いながら再び自転車で帰るほうくなのであった。

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