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視界の復活3

ということで手術のタイミングだけを考えながら日常生活を過ごしていたほうく。
一体これは何だという言い知れぬ恐怖からは解放されていた。
少なくとも病名と対処法だけは分かったということが大きい。
 
視界の白いフィルターは明るい場所だと特に白くなって視界不良にさせていた。
ところが病院で視力を測定する時は普通に見えて特に不具合なし、となる。
いやいやいや、見づらいことは見づらいんだけど
「視力は出てますね。」
なんて言われて終わってしまう。
 
後でわかったことだが、ほうくの白濁箇所はちょうど目玉の真ん中だったのだそうだ。
つまり暗いところでは虹彩(あの目玉の中の絞りみたいなやつね)が開くので白い箇所以外の視界が広がり、白濁箇所以外のところでカバーされるのでそれほど視界に違和感は感じなかったのだ。
ところが昼間の外なんかに出ると太陽光で虹彩が絞られて白濁した部分だけでものを見る、ということになるので視界はホワイトフィルターの世界となっていたのである。
 
もはや
「世界がロマンチックに見える。」
なんて冗談を言っている場合ではないのだ。
 
やがて何か月かたって、明らかに見にくさが一段上のステージになった。
もうだめだ。
どうにもこうにも我慢がならない。
ということで定期検査のタイミングで医者に手術をしたいと言った。
 
「します?」
なんてのん気な感じで反応してくるんだが、こっちはもう我慢ならないのでお願いしたのである。
医者によると、おじいさんおばあさんなんてかなり進行するまで手術をしないんだそうだ。
「先生、まだ見えてるよ。」
なんて言うのだそうだ。それでも手術をすると良く見えるようになったと喜ぶのだそうだ。
 
そんなこんなで手術することになり、事前の検査とかいろいろやって手術の説明会とかも大勢の老人に囲まれながら参加。
いよいよ入院することになった。
入院なんて48年生きてきて初めてのことである。
何をどうして良いか分からないのでとりあえずテレビを見てぐうぐう寝たりするのであった。
昼間に寝過ぎたせいで夜中に眠れない。
かといって病室でスマホ使用禁止とのことなので仕方なくラジオをイヤホンで聴いた。
深夜放送をまともに聴いたのは一体いつ以来なのか思い出せないほどで、久しぶりに中学生に戻ったような感覚だった。
 
つづく。
 
まだ続くのか???

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コメント

入院って退屈だよねー。私は痛くてノビてましたけど。。。
たしか今年から白内障は基本、日帰り手術になりました。貴重な体験でしたね。
続きを楽しみにしてます。あ、もちろん新年会も!

○眼科太郎さん
そうなんですか??基本、日帰り手術になったんですね??なるほど。たった2泊3日の入院がとてつもなく退屈だったことは確かです。続きはまた。

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