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五木くん

これから世にもおぞましい話を書くので、そういうのがいやだという人は読まないほうがいい。
怖い話かと言われると少し悩むが、できれば忘れたいことではある。
しかしこれはまさしくほうく自身に起こった実話であり、なぜこの話を書くのかというと一人では到底この思いを抱えきれないからなのだ。
何度もあの時の記憶が蘇ってくるので、どこかにその一部始終を書いてしまいたい。

始まりは会社での普通の飲み会だった。
この日も暑く、夕方になっても気温は下がらず湿気も多かった。
線路沿いに今日のお店に行く途中、遠くの空が何度も光り、時折ゴロゴロと小さく雷の音も聞こえていた。
「雨降りそうだな。」
そんな会話をしながら飲み屋に行ったのである。

予約した席は、ちょっとした離れっぽいところの座敷だったので靴を脱いで上がった。
そこで一通り楽しく飲み会をしたのである。

飲み会が終了して少し酔っぱらった感じで靴を履いた。
その時ちょっと指先がちくっとしたので、
(ああ、最近爪を切ってないから伸びてるんだな。)
なんて考えて家路についた。

その2日後・・・。

会社で残業をしていたほうく。
少し蒸し暑かったので靴を脱いでいた。
なんとなく床を見ると、あれっ?
なにやら薄いプラスチックのようなものが落ちている。
何だこれ??
色は茶色ですごく薄い。
何かのカバーか??

おや??

ある疑念がわき起こってきた。
それは想像したくない、絶対にあってはならないことだ。

そして靴のつま先のほうをのぞくと・・・。

うぎゃああああぁぁぁぁっっ!!

そこにはこちらを見たまま息絶えている五木の顔が・・・。

分かると思うが「いつき」とは読まないよ・・・。

夢中で五木を処分するほうく。
元の姿も良く分からない・・・。

今になって心から願うことはただ一つである。

きっとあれは五木ではなく興梠だったのだ・・・。
きっとそうだ、きっとそうに決まっている・・・。

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コメント

そう、きっと蟋蟀ですよ!
私も経験あります!私の場合履物の中で死なずに・・・・うぎゃぁ、記憶がよみがえる!
退散っ!

○peaさん
もう、思い出したくもないんですけど・・・。
本当に消し去りたい記憶です。
まさかpeaさんも同様の体験があったとは・・・。
でもやっぱり消し去りたい・・・。

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