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完全に安全

世の中に安全な場所ってあるのだろうか。

小学校時代、女子と喧嘩した時の男子便所?
でも安全と思われた男子便所には堂々と女の先生が入ってきて怒られた。

家の中?
家の中でだってつまずいて転んだりするし、子供の頃には素足で床に落ちていた画びょうを踏んだことだってある。
大体ずっと家の中に閉じこもっていたら食料は底をつくし、運動不足で体を悪くしそうだ。

考えてみると世の中に安全な場所なんてないのかも知れない。
どこに行ったって常に生命の危険に脅かされるのである。
いやいや、全然大げさな話じゃなく。

かのゾフィーなどのウルトラ一族は別として、人間には命は1個しかない。
いかなる原因であろうと死んだら、それでおしまいなのだ。
それは大災害に巻き込まれようが、空からピンポイントで降ってきた直径5センチの隕石が頭蓋骨を貫通しようが、自転車で転んで頭をうとうが、「死んでしまった」という事実においては一緒なのである。

さてそれではそれを人のせいにできるか?
多分、あらゆる論法を使って人のせいにすることは可能だ。
天変地異だって例外ではない。
ただ、それを人のせいにするかどうかはその人によるのだと思う。

死ぬかも知れない、ということはどんな状況にいようが全ての人が共有する可能性だ。
後はその危険性がどれほどのものか、その人がどれほどのレベルにいて、どこまで対処するか、そこの問題に過ぎないと思う。

「あなたの家は危険だ。60メートル規模の津波が来たらひとたまりもない。」
こう言われてすぐに引っ越すかな?
60メートル規模の津波っていったいいつ来るんだ?
そのためにすぐ引っ越すってなるだろうか??

要するにどこまでやるかという選択の問題になってくるんだと思う。
危険の大きさと経済合理性、現在の生活水準や環境などなどいろんなことを秤にかけて決めていくんだろう。

原子力なんかは「完全に人が制御できれば」かなり理想に近いエネルギーであると言える。
ある程度いくと勝手に熱出してくれるわけだから、効率もいいし(純粋に設備だけに限定すれば)お金的にも割安なはずだ。

問題はどこまでやるか、ということなんだと思う。
今、完全にすべてを止め、今後も使わない、というのは簡単だ。
しかしそれで失うものもかなり大きい。
安定した電力が保証されないと、生産を海外に移さざるを得ない産業は結構多いらしい。
代替の発電のため、ものすごい量の火力発電用の燃料を輸入せざるを得ない。

火力発電はCO2だって相当増やしているはずだが、どこに行ったのか環境派の方々の反対運動は起きないようだ。
産業が海外に行き、発電に多大なコストをつぎ込む、ということになると日本全体が現在の生活水準をかなり落とすことにみんなが合意する必要があるんだと思う。
多分、いろんな運動に参加されている人たちは相当の覚悟を持って今より何段階か下の生活レベルを受け入れるつもりなんだろう、きっと。
別にそれならそれでいいと思うんだよ、選択の問題なのだから。

要するにどこでバランスを取るか、ということに尽きるんだと思う。
時間軸の問題もある。
急に一方向に行くと、失敗することも多いでしょ?
みんなで一方向に投票した結果どうなった?
ほうくはみなさんとは逆の投票をしたけどね。

要するに、何か重大なことを決めるためにはいろんな考え方をきちんと検討して決めたほうがいいんじゃないかなって思っているわけだ。
「違う意見を言う奴は非国民」ってことになったらまた昔の繰り返しだしね。
だってこの世に「完全に安全」な場所なんてないんだから。

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コメント

いいねえ、硬派な論陣だなあ。そのとおりだと思います!

あのデモは、まもなく国家権力側が罠を仕掛けて暴力事件に発展させて庶民感情をトーンダウンさせようとするらしいですよ。


何事も多方面から見ないといけませんね
防衛問題もしかりです

○エセ富豪
すっかり五輪モードになり遅くなってしまいました。
コメントありがとうございます!
ちょっと最近ブログさぼり気味ですが頑張ります!

○とっき〜
そうなのだと思うのです。
感情にばかり流されず、冷静にいろんな考え方を議論するところが大事なんだと思います。

お二人に敬称つけ忘れました。
エセ富豪さん、とっき〜くん、ごめんなさい!

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