スポーツと災害
以前も書いたような気がするが、プロスポーツと災害というのは難しい問題だ。
今回の震災の後にも、プロ野球の開幕問題があった。
選手たち自身も「果たして今スポーツをやるべきか。」という葛藤に悩んだりするコメントも多かった。
大勢の人に勇気を与える、という効果も確かにあるだろう。
しかし、まだ被害の全貌も分からない時期に開幕を迎える、ということには難しさもあった。
ということでプロ野球は、多分ここがまあぎりぎり納得ラインという形で開幕したわけだ。
東北楽天はもちろん被災地にあってスタジアムも被害を受けた。
しかし千葉ロッテのスタジアムだって規模は大きくないが被害は受けているのだ。
つまり「被災地」というのは今回の震災の場合、非常に広範囲に渡ったわけである。
おかげで「東北の人たちのために」戦った楽天と開幕シリーズを戦った千葉ロッテは非常にやりにくかったんじゃないか。
もう、始まる前から
「ぼくたちは東北の人たちに、勝つことで勇気を与えたい。」
なんて大々的に言われてしまって、これで千葉ロッテが3連勝しようものなら、なんだか「空気読め」的な雰囲気が漂ったかも知れない。
結果楽天の2勝1敗という実に平和的な成績で開幕カードは終わったわけだが。
もちろん勇気を与えるために頑張るのに対しては全く異論はない。
だが、そこで一言加えといて欲しいんだな。
「東北の”楽天を応援してくれる”人たちのために勝利を目指したい。」
って。
東北の人たちの中にだってソフトバンクや西武のファンもいるはずだから。
被災地以外のチームにも当然、被災地を応援する気持ちはあって、勇気を与えたい気持だってあるはずだから。
被災者のことを思うのはいいと思うが、被災者応援の代表第一人者の如く悲壮感は漂わす必要はないと思うんだな。
勇気を与える、元気を与えると言うなら元気にプレーして欲しい。
カズは笑顔だった。
悲壮感はなかったよね。
プロスポーツっていうのはすごく難しい。
観ている人に楽しんでもらって初めて成り立つ興行だからね。
でも、だからこそスポーツとしてのすごさ、楽しさを追求して欲しい。
どんな状況に置かれても、「今日は野球がある。」とか「サッカーがある。」とかで楽しみにできるような感じで。
スポーツに何ができるか?
多分、それを実施している場所でお金が集められる、募金しようかという気持ちの後押しができる、ということに尽きるんだと思う。
だから今まで以上に選手たちは一生懸命プレーすることなんだろうな。
なんか結論としては普通になっちゃった。
でもやっぱりスポーツとしてもできることはある。
ただ、スポーツではやっぱりできないこともある、と思う。
みんなで補い合うことで頑張っていければいいんじゃないかな。
人としても足りないことがいっぱいあるからなぁ、もう45だけど・・・。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント