一生もの
良く「こういうのは一生ものだから。」と言って思い切って高いものを買ってしまうよね。
特にコートとかでそういうことがある。
昔テレビでやってた「刑事コロンボ」であのコロンボ役のピーター・フォークが着ていたヨレヨレのコートがバーバリーなのは結構有名な話だ。
よくもまあバーバリーのコートをあんなにヨレヨレに着たもんだと思っていたが、最近妙にそれが逆にかっこいいんじゃないかと思えてきた。
ところで「一生もの」ってどれくらいの年数なのだろう??
ということでタンスの奥にほぼ引退状態で眠っていたコートを引っ張り出すことにした。
バーバリーのコートだ。
これは人生でほぼ初めて着た「ちゃんとしたコート」だった。
一番最初に着たのは大学生の時だ。
先輩のご不幸があったのでその告別式に行ったのだ。
一応運動部だったので学ランを着ればそれでまあ大丈夫だったのだが、真冬だったのでコートくらい着ないと寒かった。
ということで親父のコートを借りたのだ。
それから何となく冬場はこのコートを着るようになった。
社会人になってからもこのコートは活躍した。
お金もなかったし、せっかくバーバリーのコートがあるのだからこれを着てればいいやと思っていた。
さすがにその後自分のコートを別に買ったので、この長らく世話になったコートはタンスの奥で休むことになった。
最初に着たのがもう25年くらい前だ。
その前に親父が着ていたはずだからきっと買ってから30年近くたっている。
このところ家にあるあらゆる衣類を整理して不要なものを片っ端から売ったりしている中でこのコートが再び登場したのだ。
さすがに汚れとかあったのだがこれをきれいに専用液で落として干してみると、まだいけるんじゃないかという気がしてきた。
極めて普通のステンカラーで、それが逆にシンプルだったのでちょっと着てみようかと思った。
ということで今、交替しながらではあるが現役に復帰した。
さすがに袖口が少し擦り切れてきてはいるのだが、意外にまだ着れる。
着丈もちょっと短かったのだが、最近はまたこれくらいの感じになってきているようなので、まあ良しとしよう。
ということでもっと前に書こうと思ったが完全にネタがかぶったのでタイミングを逃した。
30年近く着ればこのコートは「一生もの」という認定をしてもいいのではないかと思う。
ピカピカではないし、流行りの細身の感じでもないのだが、気分はコロンボだ。
ついつい去り際に立ち止まって
「もうひとついいですか?」
と言いそうになってしまうほうくなのだった。
コメント
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古いものでもきちんと手入れして気を遣いながら使ってる人って素敵です。
我が家は横着とケチ根性だけで買い換えられずに使われ続けてるものであふれてます。
今年は夫の代の女子副リーの弟(ややこし!)から譲り受けたスポーツカー(89年型)をいい加減買い換えようかと考えております。
そういえば長男が愛用してるブランドもの折り畳み傘は私の大叔母のものでしたので、少なくとも25年は経ってます。。。
投稿: pea | 2011/01/06 09:58
○peaさん
ありがとうございます。
素敵な一年になりそうです。
でもはたから見ると、ただ単に古いコートを着ているおっさんでしかないのですが・・・。
投稿: ほうく | 2011/01/07 00:42