ひげ

男なら誰もが一度は生やしてみたいと思うひげ。
あれっ？？
ほうくだけか？？

ということでほうくは今までに３回、ひげを生やしてみたことがある。
「ひげ」って種類によって使う漢字が違うらしんだが調べるの面倒なのでひらがなで通す。

最初は大学生の時、興味本位で生やしてみた。
鼻の下だけに生やす、いわゆる「口ひげ」ってやつだ。
恐らく大学３年の頃だったと思う。
意外に似合っていた（と自分では思っていた）ので、いい気になって続けていた。
評判も・・・、そう悪くはなかったと思う。
詳しくは不明だが・・・。

少なくとも面と向かって
「それはちょっと。」
と言う奴はいなかった。

ところがしばらく続けているうちに段々剃りたくなってきた。
はっきり言って途中で飽きてしまったのだ。
そして、気がついたのだ。
ひげ生やしていると何となく服装が限定されてしまうのだ。
なんかこう、ひげを生やしていると老けて見えるので何だろう、「ワイルド」さを前面に出さないと逆に恥ずかしい感じになってしまうのだ。
仕方がないので、ちょうどクラブの夏合宿の中日かなんかに思い切って剃った。

意外にすぐに気がついた人は少なかった。
まあ、他人にとってはほうくのひげなんてどうでもいいと言えばその通りだ。

２回目は某アジアの国に長期で出張していた時だった。
この時は別に生やすつもりはなかったのだが、どんな電圧でも大丈夫と信じていたヒゲそりがなんと壊れてしまったのだ。
非常に貧しい国の、しかも買い物できるような場所から隔離された場所にいたのでひげが剃れなくなった。
伸びるままにしていたら、鼻の下から顎までつながるひげが生えた。
しかし頬は全然生えなかった。
「太陽に吠えろ！」のロッキーのタイプではなかったようだ。
どちらかというとゴルゴ１３で暗殺される悪役のような感じのひげだった。

現地のおっさんに
「そのひげはフレンチタイプだ。」
と言われた。（英語でね。）
どこまでもフランスにこだわるほうくならではだ。（関係無いけど・・・。）

ここで初めていろんなことが分かった。
口ひげはほっておくとどんどん口の中に入ってくるのでちゃんとハサミで切りそろえないといけないのだ。
そうしないとスープとか飲むとしばらくスープの風味が残るのである。

歯磨きした後も大変だ。
なかなか白い歯磨き粉が取れなくて念入りに顎とか洗うはめになるのだ。

日本に帰国してからひげを剃ったら、自分がものすごく若返った気がした。
ちなみに帰国してからちょっとだけ剃らずにいた時期に友だちの結婚式の二次会に出席したが、その時に久しぶりに再会した同期の女性に
「結構似合うね。」
と言われた。

女性が髪の毛を伸ばしたり切ったりしてイメージを変えるのと同様に、ひげを生やすのってちょっと別の人間になるようで楽しい。
ちょっと前に高校の集まりで欠席した同級生からのメールが顔写真付きで回覧されていたが、スキンヘッドにヒゲ面になっていてインパクトがあった。
当時とはほぼ別人のイメージだ。

でも・・・。
それは目指してない。

もう今さらイメージ変えて鏡見てみる歳でもないし、ほっといてもどんどん老けている。
最近は鏡を見るとどんどん自分の顔が気持ち悪くなってきている・・・。

そういえば大学生の時のひげとつながっている記憶があった。
毎年年に一回、４つの大学で交流戦があった。
他の連中は対外的な役職をやっていて他の大学の人たちとも交流があったのだが、なぜか外に行く役職をもらえなかったほうくは本当に年に１回しか他の大学の連中と同席することがなかった。
試合が終わって４つの大学合同で飲み会みたいなことをやるのだ。
我々と同学年で他の大学にいた女性が、当時からちょっとテレビや雑誌に出たりして有名だった。
その後テレビでキャスター的な感じでちょっと出ていたりしていたが、その女性がひげ面のほうくに話しかけてきた。

「（私のこと）覚えている？」

そりゃかわいいので有名だったんだから
「もちろん覚えているよ。」
なんて偉そうに答えたが、このヒゲのほうくを逆に覚えていてくれたのかとちょっと感動したね。

「俺も好きだよ。」

って言いそうになってしまった。
何も言われてないのに危ない、危ない。
話のきっかけで言ったに違いないのに・・・・。

「惚れてまうやろーーーー！」

ひげと関係なかったか・・・。