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そばとうどん

食卓の料理は基本的に親の意向が反映される。
以前にも書いたがほうくの場合、両親が関西出身だったので納豆が出されることはなかった。

そしてもう一つ。
そばである。

実際、家でそばを食べた記憶がない。
昔、親戚のおばちゃんに連れられて外で食事をしたことがあったが、それがそば屋だった。
何せ初めてなものだから当然応用がきくはずがなく、何となく初心者向けっぽいざるそばを頼んでみた。

出されたそばをひたすら食べていたら、不意に店のオヤジが
「珍しい食べ方するねぇ。」
とつぶやいた。

そう、ざるそばにはつけ汁があるなんて知らずに、あのそばだけをダイレクトに口に運んで食べていたのである・・・。
道理でイマイチ味がしないわけだ・・・。
初心者にもほどがある・・・。

ちなみにそのおばちゃんは京都に住んでいたので、別に関西出身だからとかなんとかは関係ない。

父親がうどん好きだったからである。

初めて食べたあったかいそばは、駅のホームの立ち食いそばだった。
友だちと電車で通った塾の帰りに、卵を落としただけの月見そばを良く食べた。
そばって結構うまいじゃん、って思ったりしたものだ。

考えて見れば「年越しそば」っていうのもほとんど食べた記憶がない。
そんなに親はそばが嫌いだったのかなんて思うのだが・・・。

昔父親がこういっていたそうだ。

「あの、そばっていうのはあれ、どこがうまいんや。」

おかげで家で食べていたのはひたすらうどんだった。
だから外でうどんを食べる時は汁の色が濃すぎるのがいやだったが、そばはもともと外でしか食べたことがなかったので真っ黒い汁だろうが全く違和感がない。

食べ物の原体験を完全に親に握られていたわけである。
当たり前と言えば当たり前だが。

ちなみにうちの長男だが、小さい頃からじじばばに甘やかされて育ったせいか、ある日出されたメロンを見てこう言い放った。

「これ、メロンじゃないよ。だってメロンってオレンジ色だよ。」

恐るべき原体験。
うまいものはこっそり食べておこう。

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コメント

うちの両親も揃って西の出なもので私は納豆を大学生になって初めて食べましたが、今や大好物です。

子供の頃母親の実家近所で食べたそばの不味さは忘れられません。
いまだに私が(そばに関しては)関西風の薄いダシに馴染めず、どんぶりの底が見えないほど濃いダシしか受け付けないのは、両親の出自を考えると謎ですが…

かといって一部の過剰に気取って勿体つけて日本蕎麦を出す店などはあまり好きくないですな。本来、そばなんて庶民的なものだと思いますし。

ところで西日本ではそうめんを温かいツユでいろいろ入れて食べますよね?(にゅーめん?)
父親の好物ゆえ週イチで食卓に上ってましたが、あれが苦手でした。。。
そうめんはやっぱり冷たくないと ね?

○Tommyさん
確かにそうめんは冷たいに限ります!

それにしてもざるそばもまともに食べられなかった私も今や偉そうに
「天ざる」
なんて頼んでますからね。
それどころかことによると
「そば湯ください。」
なんて言ってますからね。
少しは大人になったかな?

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