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電車の朝

混んでいた電車を降りると目の前をおっさんが歩いていた。
多分50歳過ぎくらいのおっさんだ。

おっさんと言ってもちゃんとした服装の会社員風だったが、クールビズで上着は着ていなかった。

何の気なしにふっと見ると、おっさんの首の後ろの襟のところに何かが見える。
ちょっと近づいてよく見ると、襟に小さな透明のプレートが挟んであって、その表面に黒い字で「40」と刻まれていた。

良く見るとそのワイシャツ、どう見ても新品だ。
きっと袋の中から今朝取り出して着たのだろう。

このおっさんの首回りが40センチであることは分かった。

このことをおっさんに教えてあげようと咽喉元まで言葉が出かかったが、飲み込んだ。

ひょっとして会社に着いて、職場の若い女性がこれを指摘して何となく明るい触れ合いがあるかも知れない。
このおっさんがそんな若い女性と笑いあいながら職場でお話ができる機会がひょっとしたらあるかも知れないのだ。
普段はなんかそんな会話など一切なしにただ陰で「うるさい」だの「臭い」だの言われているだけのおっさんかも知れないのだ。(完全に勝手な推測)

出かかった言葉を飲み込み、ほうくはおっさんを見送った。

(楽しい会話ができるといいね。)

またひとついいことをしてしまった。

いや、何もしなかった??

そんな朝のひとときである。

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コメント

素敵な話ですね。。。
あと少しの年月で、観察されたおっさんと
同年代になるから、あまりアレコレと
コメントしにくいです。

私も先月、新調したスーツのサイドベンツの部分に
仕付け糸っていうのかな、白い糸がまとわり付いていて、それを見知らぬオッサンが、鬼の首でもとるかのように私に注意してきました。それも電車の中。

I-podでキャンディーズを聴きながらいい調子でいたのに、オッサンのせいで微妙な気分になりました。恥をかかされたような感じ。

やはり、会社の可愛いコに指摘されたかった。。。

「新しいスーツなんですね」
「君にいいところ見せたくて新調したんだよ」

そんな会話がしたかった。。

首周り40のオヤジの小さな幸せを心から祈ってます!

こんばんは。

ほうくさんの暖かいお話ですが、オッさんとしては、言って欲しい梅雨の空・・・(笑い)。

会社で、冷たい目で見られているおじさんがいたりして・・・てなことはありませんか。おじさんは若い子に好かれる顔をしていたのでしょうね(笑い)。

○エセ富豪さん
なかなかいい話でしょう?
このおっさんの小さな幸せを朝から祈ってしまうなんてちょっといい日でした。
「おっさん、おっさん」と書いてますがこっちも十分に客観的にはおっさんなのですけどね。

○nakamuraさん
そうですねぇ、確かに指摘は早いほうがいいですが私はもうちょっと未来の、素敵な場面に遭遇するほうに賭けてしまいました。
そのほうがちょっと、楽しい感じですしね・・・。
ちなみに若い子に好かれる感じかどうかは・・・。

微妙です。

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