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さらば本屋

うちの近所の本屋が閉店した。
駅の回りに開発なんかの関係で何度か場所も変えながらだったがずっとあった本屋だ。
駅からうちに帰るとき、その前を通るのでいつもその存在だけは認識していたのだが、先日その店先に張り紙がしてあった。

「31年間ありがとうございました。」
とかそんな内容だったと思う。

人間の記憶というのは適当というべきか、ほうくの意識の中ではこの本屋は「新しい」ものだった。
それはつまり自分がそこに「新しくできた」というのを認識した時点の思いがそのまま続いているからだ。
でももう31年もたっていた。

町の小さな本屋で本を買うことなんてない。
古い記憶をたどっても思い出せない。

子供の頃、中学生になるかならないかくらいのときにどうしてもすぐに欲しい雑誌かなんかをこの本屋で買ったことがあるのを覚えている程度だ。
本は大きな本屋で買うことが普通となり、やがて会社のビルの中に入っている本屋で買うようになり、ついには図書館で借りることが専門になってしまった。
本を買うときだってもうネットでの注文だ。

ほうくの町の小さな本屋が生き残る術はなかったのかも知れない。
でもそこの店主のメガネをかけたいかにも本屋の感じのちょっとインテリっぽい顔は覚えている。

小さな町のお店って意外と好きなんだが残念な環境なのかも知れない。

以前、嫁に踏まれたメガネをすぐ近所のメガネ屋のオヤジに直してもらったこともあった。
ただでいいと言うのでいつかあそこで買ってやろうと思っているうちに店がなくなっていた。

駅前にあるのはたくさんの美容院と歯医者ばかりだ。
また本屋が来ないかな。

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コメント

町の本屋って、文庫本を買ったらキレイにカバーをつけてくれたり、いいもんですよね。
たまに驚くほどジャストフィットなカバーをアッという間に作る店のオヤジとかいたりして…
いまだに駅ビルの本屋(全国チェーン)なんかでぞんざいなつけ方されると、帰ってから折り目をつけ直したりしてしまいます。

アマゾンなんかの便利さを知ってしまうと、なかなか戻れませんけど。
「懐かしい」と感じてしまう時点で、絶滅危惧種なんでしょうね。

○Tommyさん
ネットや大型書店なんかに対抗できなくてなくなっていくとさみしいですよね。
そこの本屋は電話注文の本を家まで届けてくれるっていうサービスをやっていて、うちの母親なんかはずっと利用してたんですけどね・・・。

国民すべてがインターネットを使えるわけじゃないんで、そういうところも必要な気もするんですけど。

ちっちゃい本屋はダメダメ!
だって立ち読みできないし、なんかエロっぽいのも買いにくいから。いっぱい本がないと楽しくないし。
でも本屋さんて、本が盗まれなかったら儲かるらしいよ。そのくらい盗まれてるってことだけどね。

今日は快晴で気持ちいいっす!ほなまた。

○色爺さん
盗まれなければ儲かるの?

そう言えば昔、ふと地元で時間ができてふらっと小さな本屋に入ったらなんとエロ専門店でびっくりしたことがありました。

でもその本屋ももうないような気がするなあ。

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