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坊やだからさ

中学生のとき、ほうくは親の仕事の都合で一人で暮らしていた。
それでいろいろクラスメートの家にお邪魔したりしていた。
ある日クラスメートのT中という奴の家に行くことになった。
経緯はさっぱり覚えていないのだが、確かに行った記憶がある。

T中はクラスでも割とおとなしいほうだったが独自のワールドを持っていた。
いわゆるオタク系だったのだろう。
部屋の隅から大事そうに持ってきて見せてくれたのが、透明なシートの真ん中にきれいに絵が描かれているものだった。

「セル画」というものであることを初めて知った。
そしてそれが「ガンダム」というアニメのものであることを自慢げにT中が語るのを不思議に思いながら聞いていた。
その透明なOHPシートみたいなものが結構な価値があることを初めて知ったのだった。

その後、テレビでガンダムの再放送をやっていたので(しかも何度も)、ほうくはガンダムの世界に触れることになる。
このアニメはそれまでのものと明らかに違う世界が展開されていった。

まず登場人物がリアルな人間として描かれていた。
主人公は決して英雄ではなく、勇気に満ち溢れているわけでもなく、悩み、自暴自棄になり、天狗になり、挫折し、など非常に等身大の人間だった。

そしてセリフが聞いたことのない言い回しのものが多かった。
恐らく大人の映画の世界ではあったのかも知れないが、そんなセリフを言う人物が登場する子供向け番組はなかったに違いない。

もはや言うまでもないこのガンダムの中でシャア・アズナブルがガルマを謀殺した後、左遷されてどっかのお店でギレンの演説を聞きながら発したこの名セリフ、「坊やだからさ。」
ガチャガチャで入手してしまった。090322_005701

毎回ららぽーとで映画を見た後、ガチャガチャコーナーでせがまれるので何か一つ買っていいことにするのだが、次男が今回はこれを選んだ。
何度も確認したんだが、これでいいと言うのでやらせたのだがなんでこれを・・・。
おかげであの中学生・高校生の頃の再放送を思い出してしまった。

ガンダムは面白かったが、その後のシリーズは一切見ていない。
だってなんか新しいシリーズを見ちゃうとなんだかT中の世界に引き込まれていくような気がして・・・。

それでも生活にガンダムが入り込んできた。
普通に。

「ねえ!『坊やだからさ』、どこー?」
「ソファーの下にでも落ちてるんじゃないのー?」

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コメント

これほしいんですよね。
私がやって出てきたのは「さらにできるようになったな!」でした・・・。

○シャア! さん
ようこそです。
ディープなガンダムの世界、拝見しました。
思いつきでやった割にはひょっとしたら一番いいやつが出たかも、と思っています。
他にどんなやつがあるかも知らずにやりましたが・・。

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