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魔法の言葉

嬉しかったことって人間って忘れないものだ。
ほうく自身も非常に単純な人間なので忘れない。
そうだな、褒められて伸びるタイプの人間かも。

むかーしむかし、その昔。
ほうくが中学3年生の頃だった。
外国から帰ってきたほうくはとある中学に途中から入った。

外国では日本人学校に行っていて、そこはこじんまりした学校だったので毎日ほぼ小学生なんかを相手にしていたので、突如中学3年の集団に入ったときはそれはそれは居心地の悪さを感じたものだった。
なんかヒゲとかはえそうな奴とかいるし、みんな背も高いし、遠くから目つき悪く睨んでくる奴とかいるし、結構毎日が新しい経験だった。

ほうくは外国で日本の流行とかも良く分からず、親の庇護のもとぬくぬくと過ごしていたので周りから見ても異質だったかも知れない。
今当時の写真とか見ると
「ぼく、勉強できます!」
メガネ、ぐりぐり!みたいな感じの外見だし到底運動なんてできそうに見えないことも事実だ。
(嫁のコメントにより検証済み。)

なめられてるんだなぁ、とは感じていた。
体育の時間、ソフトボールでセンターを守っていてあさーい浅いセンターフライで2塁ランナーが3塁にタッチアップしたりするし、(刺しました)そんな感じのことはとてもたくさんあったので。

まあ、そういうことをあまり気にすることもないので別に気にも留めていなかったのだが、ある体育の時間だった。

うちの中学・高校はサッカーが盛んでみんな(サッカー部以外の人間も)サッカーがうまい。
ほうくはそこで各チームに1人ずついるサッカー部の奴をマークするのが好きだった。
ほうくはサッカーは別にうまくはなかったが、日本人学校でチャンピオンになっていた卓球で鍛えた動体視力と敏捷さを持っていたのでサッカー部からボールを奪うことに燃えていたのだ。
うまい奴からボール取るなんて楽しいじゃないか。
必ず、それはもう必ずサッカー部についていたのでそれぞれのドリブルの癖とか、例えばあいつは割りに直線的な動きでスピードで抜こうとする、とかこいつは左右にころころボールを転がしながらドリブルする、とかそんなことまで観察していたくらいだった。

そしてある日、各チームがグラウンドで試合をする中、順番で見学に回ったときにそばにいたH間という奴がこう言ったのだ。
「サッカー部からボール取れるのほうくだけじゃん。」
思ってもみないコメントをもらったのでちょっとびっくりしたが、ものすごーく嬉しかった。

確かに見学の順番があるから周りで見ている奴は必ずいるのだが、そんな人たちを意識したことがなかったので(マークに夢中だったし)見てくれている奴がいる、ということに感動してしまった。
しかも評価してくれている、ということに。
そしてその言葉は既に四半世紀過ぎた今でも忘れていないのだ。

更に、ある試合でサッカー部のN田という奴が、(いつもマークについていたので)
「おい、ほうく(マークに)来いよ。ほらほら。」
と挑発してきたこともあったが、それも逆にかなり嬉しかった。

おかげで下手は下手なりにサッカーをするのが更に楽しくなり、休み時間もそのうまい連中に混じっていろいろ経験したおかげでその後にとても役に立った。
今でも一人一人のフェイントのいくつかを覚えていたりする。

その後、大学に入ってからアーチェリー部に入ったときの後輩の指導や、あるいは遊びで卓球をやったときや、ボウリングを仲間内でやったりするとき、ほうくは基本的に一人一人を良く見て褒めてあげよう、と思っている。
それは自分自身の体験から来ていることではあるんだけど、やっぱり人は褒められると嬉しいし、褒められたらその競技のことを好きになると思うからね。

「なんだ、それは。全然ダメだよお前。そんなんじゃどうにもならねぇよ。」

って言われて反発して伸びる人ももちろんいるよ。
でもほら、ほうくは褒められるの好きだから。
自分が好きだから。

それにもし自分の言葉を相手にずっと覚えられていたら、それって結構素敵なことじゃないかな。

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コメント

なるほどねぇ… 私なんか幼稚園からあの学校にいて、おまけに小学校はサッカー部だったけど一度として楽しいと感じたことはなかったッス。
ま、小学校の朝練は後のパンと牛乳目当てのお遊びで、本チャンは精鋭が集まる選抜チームのほうでね。

一度、朝練に出たら自分以外全員が選抜チームの面々ってことがあって。
それでなくとも運動音痴キャラだったもんだから、緊張するわツマンないわで、とんだ罰ゲーム気分だった。

あとで選抜組のK持君という友達が「今日はTommyだけ出席だもんな、えらいッ!」と笑顔で言ってくれて嬉しかったけど、その後勇んで参加!ということもなく…

私の場合、運動音痴キャラ払拭は高校から大学までかかりました。
面目ない!

○Tommyさん
確かに周りがみんなうまくて自分と明らかに実力に違いがあるとつまんないですよね。
当時私には「卓球なら大概の奴には負けない。」という変な自信みたいなものがあったのでとにかく一泡ふかせてやろうと、どうせ評価はゼロだし、みたいなところありましたしね。

これに関連する話はまだまだあるので続きますよ。

なるほどですね

週末温泉旅行に行ったのですが、お決まりの卓球をやってきましたよ

下の子がうまくいかなくて機嫌が悪かったのですが、誉めながら教えたら上手くなってきました。

○とっき〜
そうでしょう?
私がとっき〜を教えたときも褒めてたでしょう?
記憶にないかも知れませんが。

今度また卓球やりましょう!
今度っていつだよ!

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