さよなら灰皿
秘密にしていたわけではないのだが、タバコをやめてしまった。
去年の9月に最後のタバコを吸ったのでもう半年以上たったわけだ。
恐らく、たぶん、これからタバコの常習者になることはない。(と思うのだが・・・)
タバコを本格的に吸い始めたのは、大学卒業後社会人一年目からだ。
今から17年前である。
大学の頃は走ったり運動したりするのにタバコを吸っているのはおかしい、というポリシーでタバコを吸っていなかった。
でも強烈に誘惑があるんだな、大学時代のタバコって。
なんか大人の感じがするし、ちょっと悪い感じがするし、甘く危険な香りがしてそういう香りがもっとも少ない感じの人間だったような気がしているし。
それにそれに堂々と吸っても怒られないのって大学生になってからだし。
まあ、それはともかく。
バブル絶頂の頃に絶頂で忙しくてストレスの溜まる部署に入ったら、それはもうタバコとかなしにはいられないでしょう!という感じだったわけである。
とにかくタバコくらい吸わしてくださいよ!みたいな感じだったわけである。
それから普通に去年まで、全くやめられずに来たわけである。
当然何度かやめようかと思ったときもあったが、1週間程度が限界だったか。
今回なぜやめられたのか?
病気に違いないと思ったから。
のどが痛い、声がかすれる、咳が出るとかいろんなことが出てきて、ネットで調べたらなんだか絶望的な病名が並んでいて、3日間くらい不安で眠れず家族のこととかいろいろ考えて悩んで、遺言とか最期の過ごし方とかいろんなことを考え抜いて枕を涙で濡らしたら、タバコを吸う気が失せてしまった。
病院で2度ほど検査したのだが異常がなかったので結果としてタバコはやめられたということである。
そして生きる時間を与えられた。
グリーンマイルという映画があったが、そこで語られるように「人間はみんな死へのグリーンマイルを歩いている」のだ。
普段はそれはいつまでも続くように思っているが、何かのきっかけで意識すると意外と先が長いと思っているのは勝手な希望でしかないことに気がつく。
40歳というのは決して若いわけではないが、一般的に先が短いわけでもない。
健康というものに向き合うようになるのは、年齢を重ねてからなのだろう。
今でもリスクは常に意識するようになった。
でもね、以前と違って朝の寝起きがいいし、頭がすっきりしている。
やめようと思ってやめたわけではないので偉そうなことは言えないのだが、はっきり言えることがある。
さよなら、灰皿。
今まではお前の鎖につながれていたけれど、もうお前なしでもやっていける。
まるで昔の恋人に言うようなセリフだが、灰皿が恋人っていうのもちょっとさびしいぜ。
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コメント
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ほうくさんて「甘く危険な香り」を目指していたのですか・・・・・ふふふ。
タバコをやめられたのは何よりです。昨年夫の同期の奥様が亡くなられたのはお耳に入ってますでしょうか。。。
ところで、船便が到着してようやく引越しが完了しましたことをこの場を借りてご報告いたします。
投稿: hattrick | 2006/04/19 15:20
hattrickさん、こんにちは。
>船便が到着
ということは海の向こうからアクセスしているのですか?
ちなみに「甘く危険な香り」は出し方とか全然分からなかったですね。
「私かわいいの」ビームとか出す女の子とかはやっぱり才能なんでしょうか。
今更という話ではありますがね。
投稿: ほうく | 2006/04/20 00:05
数ヶ月ぶりにアクセスしてみて、ついに禁煙成就か!、と思わず拍手しそうになりました。
田舎では、農林水産業従事者はもちろん、サラリーマンも含め、男性の喫煙率はたぶん8割以上。当地区のみならず、近隣市町村も同様。人格、性格などすべてそっちのけで、タバコを吸わないというだけでいい人に見えてくるほどである。
屋外で吸う分には影響ないのですが、問題は、その感覚で屋内でも吸うこと。都会との生活環境の違いもあり、田舎に禁煙、分煙、嫌煙権が浸透するにはあと100年くらいかかるだろう、と絶望的な気分です。
私が生きているうちに、少しでも改善しないものでしょうか。
投稿: antismoker | 2006/05/01 09:07
antismokerさん、コメントありがとうございます。
日本は先進国では突出して喫煙率の高い国だそうです。
確かに田舎に行くとほとんどの人が当たり前のようにタバコを吸っていますね。
ちなみに最近ではタバコの煙が気になってしまって、今まで当然のように自分がいたタバココーナー脇の自販機前を一刻も早く立ち去ろうと息を止めています。
人間てこうも変わり身の早いものなのでしょうか。
投稿: ほうく | 2006/05/02 14:13