記憶の迷宮 ~同期会その2~
長らく会っていない人間に会うということは大変なことだ。
ほうくのように高校時代の友人にほとんど会ったことがない場合などは、無意識に「二度と会うことはないだろう。」と記憶からほぼ消去した状態になっている人が多い。
同じテーブルに寄ってきた奴の顔を見て、一気に記憶の時計を20年以上前に逆回転で戻していき、頭の中で高校の校舎の中に入り込み、記憶の中のひとりひとりの顔を探し出して、今目の前にいる奴の顔と照合する。
しかし照合も困難だ。なんたって原型をとどめていればまだいいが、そうじゃない場合だって多いから。
それを瞬時に行って符合したまではよくても、今度はその顔に結びつく名前が思い出せない、という具合だ。
(誰だ、誰だ、顔は出てきたが、な、名前が・・・。)
だめだ、そんなにじっと顔を見ていたら、思い出せていないことが完全にばれちゃうじゃないか。
反対に何気なく飲み物を口にしていると、なんだかじっと見ている視線に気がついたりして。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で過去に戻ったマーティが喫茶店のカウンターで若い頃のお父さんをじーっと見ているシーンが思い浮かぶ。
どう反応するべきか?
急に向き直って、「どうも、ほうくです。覚えていますか?」って笑顔を見せるか??
それとも向こうが思い出すのをそ知らぬふりで待つか??
おいおい、むこう行っちゃったよ。お前、誰だよ。
結局ほうくも覚えていなかったりして。
それにきついのが、顔も思い出した、名前も完全に知っている、しかし高校時代大して仲よくなかった奴とどう向き合うか、という問題だ。
こういう時に、どちらか一方でも相手に良い印象を持っていれば会話もできようものだが、お互いそれほどでもないのに、急にこんな場所で「いやあ、久しぶりっ!!全然変わんないなぁっっ!!」なんて・・・。
できるわけないよな。
そんなとき、ふっと一瞬間違いなく目が合って、確かにお前も俺もお互いの目を見て確認したな、という状態から目をそらして別の場所に行く、というお約束の場面に遭遇することになるわけだ。
悪意はない。悪意はないんだが、話すこともないわけで。
そんな人間模様を踏まえつつ、楽しい夜は続くのだ。
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